「bk1」に掲載された読者批評です。批評をお寄せ頂き本当にありがとうございます。心より感謝しております。読者批評コーナーへ
ワインに愛を 〜闘士小仲律子の最初の一歩〜(鍵屋様)
小仲律子は情熱の人である。現代的な文体で装われたこの書を読む人は、そこかしこにその人となりが現れているのに気づくであろう。
この書はワインの楽しみ方についての豊富なヒントに満ち溢れている。この書はワインを出発点に、どんどん逸脱するかのように様々な領域を横断する。ファッションと、映画と、文学と、歴史と出会うことにより。そしてその遍歴のあとワインはいよいよその輝きを、深みを増すがごときである。
この本は単なるワインについてのみ書かれた本ではない。そのような本をお望みならこの書を読むべきではない。ここにあるのはワインを手に生きる人の「今」の姿である。ワインはなによりもまず飲まれるものである。知識を玩ぶ為の物ではない。なによりもまずワインは楽しむためにあるのであって、自己顕示の為にあるのではない。そうこの書は説くがごときである。軽やかな文章の底にはワインをかしこまった知識の牢獄から解き放ち生活世界の彩りの中に取り戻さんとする野望を秘めている。その点においてこの書は本邦においてワインを楽しみたい人のために書かれた稀有なる書である。
一流のエッセイ(KOMA様)
単なるワインの入門書ではなく、ワインを小道具にした一流のエッセイ。ぜひ、女性エッセイのコーナーに並べて欲しい本。スパイスの程よく効いた、一見口当たりが良さそうで、でも後をひくような本。読み終わった後に、律子ワールドに酔いしれているかも。あなたも筆者の人生観に触れてみては。
